結婚と同時に、同居生活29年。
二人の子供も成人して巣立っていきました。

ともかく、忙しかった。
一応、正社員で働く私。
毎日、目まぐるしすぎてあっという間でした。

だから、子育てが一段落すると、
今まで心に蓋をしていたことが、
少しずつコップの水が溢れるように
湧き出して来たんですよね。

外からは、きっと恵まれている
と思われているんだろうけど・・・

実際そうなんでしょうけど・・・。

私は、

自分が欲しいなって

ふと夜に思っちゃたんですよね。

何て表したら良いのでしょうか。
自分の尊厳が欲しくなっちゃった。

50歳過ぎたけど、
まだ体は動く!
よし、足掻いてみよう!

って素直に思ってしまった夜でした。

モヤモヤを閉じ込めた29年間

私は、自己肯定感、ゼロでした。
だからイケなかったんだなって、
今なら分かります。

今まで、
何も自分の主張を述べれませんでした。

つまり、
食べさせてもらっていると言う感情でした。
(振り返って見ると、これが駄目な思想でした。)

いつの間にか、
自分の服を選ぶのも、

夫だったらどう言うか?

をまず最初に考えるんですよね。
これ、重症ですね。

当然、好きでもない服を着ても

全然楽しくない!!

誤解のないように説明しますが、
決して夫に強制された訳でもないのです。

ただ、自分でお金を稼いでいなので、
なんとなく後ろめたくて忖度しただけです。

でも、モヤモヤはいつもありました。

その時に、
きちんと自分に向き合えば良いものを、
私は日々の忙しさに逃げていました。

言い争ったりするのが苦手でしたし、
同居の家族の中で、

ただ一人の他人でしたので。

たっぷりの時間が出来たら

子供が家からいなくなるって、
すごく手が空くんですね。

義父は7年前に亡くなって、
広い家に大人3人。

今まで目を背けていた事が、
どうしても目に入ってくるんですね。

夫と、義母は親子。
私だけが他人。

夫は、生まれ育った家に
両親とそのままの暮らしで満足です。

私は、よそ者です。
これは、終始変わらない。

また、子供が大人になると、
私はそう必要でもない事が分かりました。

夫は、社交的ですが、
家の中では1人が大好きなのです。

夫が必要なのは、
義母への家政婦なんだなって、
ストンと心に落ちました。

こう書くと、酷い夫となりますが、
そうではないんです。
むしろ、
家事、育児たくさん手伝ってくれます。

分かりやすく言えないのですが、
例えば、朝、私が出勤前に
すべて流しの洗い物を片付けて家を出ます。

夕方帰宅します。

そこには、
義母の朝食べた食器が
そのまま流しに置いてます。

隣の部屋からは義母の弾くピアノの音。

夫に私が不満を述べます。
「ちょっと、酷いんじゃない。」
「自分の食器ぐらい洗ってほしい。」

すると、
夫は何も言わずに食器を洗い始めます。

あるいは、
「玄関の自分の脱いだ靴ぐらい揃えてほしい」
というと、夫が揃えます。

このように、義母がちょっとなぁと言う所は、
すべて肩代わりしてくれます。

だから、洗濯ものも畳んでくれますし、
お風呂も洗ってくれます。

私が、義母が酷いと言うと、
夫が代わりに家事をしてくれます。

しかし、
私がそうした場合は何もしてくれません。

子供を迎えに行かなくては行けなくて、
洗い物をそのままにして出かけた場合、
洗い物はそのままなのです。

ペースを崩さない夫

夫には、悪気はないのです。

なぜそう感じるかと言うと、
長男の行動と同じだからです。

本当にここの家の息子のままなんです。
それも、とても親孝行の自慢の息子です。

だから、
きっと学生の頃と同じ暮らしなんだな
と思いました。

子供も、中学生ぐらいになると、
ごはんを食べたら、すぐ部屋に行きますよね。
そこで好きな事をしている訳です。

夫の行動もまさにそれです。
子供がいないと、会話も無くなります。
私が話しかけても、興味が無ければ無視です。

1度、「なんで、聞いてないの?」
と聞いた事があります。

そうしたら、
「くだらないし、なんで返事しなきゃいけないんだ?」
と真顔でシンプルに答えられました。

ただし、
これが義母だったら対応が違うんですよね。
一応相槌くらいはするんですよね。

その積み重ねが29年。

なので、もうなんか嫌だなぁって、
私もシンプルに思っちゃって。

ただ、義母がいなくなれば変わるのかな
とも考えた時期もありました。

でも、違いますね。

ずーっとこのままなんだなと。

夫の義母に対する態度と、
自分に対する態度の違いは変わらない。
それが理解できたんですね。

尊敬できる人

夫は、すごく尊敬できる人です。

職場や、父母、町内会、同級生、友人、後輩
からもすごく頼りにされています。

物腰もすごくやわらかで、
私も、「なんて優しい人なんだろう」
と思ったところが、
結婚の決めてになった
親切な人です。

彼を悪く言う人はあまりいません。
優等生タイプです。

すごく器用で、
一度説明を受ければすぐ理解できます。

運動神経も良く、
(ここは、長男受け継いで良かったところです)
彼の友人の話を聞くと、
小中とずっと委員長をしていたそうです。
先生受けも良かったそうです。

それでいて傲慢でもなく、
なんか・・・
自慢のようになってしまいますが(笑)
実際そうなんです。

だから、他人には、
私の言い分(夫の愚痴?)って
分かってもらえないんですけどね。

子供達にもとても良い父親です。
PTAにも出てくれますし、
PTA会長もしました。

私は幸せなんでしょうね・・・・。

私以外には仏様のように慈悲深いです。

本当に、誰にでも公平に(外では)
接する事が出来るんですよね。

すごいです!
外の彼はマザーテレサ並みです。

夫はなぜ私と結婚したのでしょうか?

このような夫でしたので、
きっとモテモテとはいかないまでも、
そこそこモテたんではないでしょうか。

なのに、なぜ、自分と結婚したのか?
ミステリーです。

自分なりに考えて見たのは・・・。
・まず、男兄弟がいる。
・運動神経がある。
の条件に当てはまっていたことが1つ。

これは、交際中に、
彼の友人もいる前で言われましたね。

何も、以前の彼女が1人娘だったため、
自分は長男で家に入るからと
揉めたらしいです。

あと、スポーツが好きなので、
運動神経が無いと、
一緒に友人達と出かけられないからだと。

そのころ、スキー、テニスブームで、
毎週のように
10人ぐらいで遊びに出かけていました。

そして次に、
ここからは完全に私の考えですが

年下で、ボーっとしていて、
言う事を聞くからかなと。

頭の回転も遅いです。
だから彼と議論したら
すべて言いくるめられてしまいます。
(息子にも論破されまくりです!)

お嬢様の義母にあてがうには
丁度良かったのでは。

義母も、さすが夫の母。
賢いんですよ。
物腰柔らかく、
優しそうな上品な感じです。

「お宅はいいわね。」
「おばあちゃんが優しいから同居も長く続くのね」
と言われます。

はぁっです。

夫の居ない時に、
子供にも聞こえない所で、
色々言ってきます。

夫に話しても、
「そう言っている現場を見てないから」
とスルーされます。

それに、
自分の母がそんな事を言うはずがない
と信じているのでしょう。

孫たちも(長男、長女)も
怒らないおばあちゃんは大好きでした。
むしろ、母は口うるさい!でした。

だから、結論。
夫は義母にとって良い相手だから
結婚したんだと思います。

自分の人生を生きる夫が羨ましく見える

以上のように、
夫は何事にも堂々として見えます。

反対に私は全てに自信がありません。

けど、
だからその足りない自信の分を
夫に肩代わりしてもらおう
と依存していたのです。

だから、この状態なのは当然です。
最初から間違っていました。
人から自分の人生背負ってもらおうなんて
甘い考えがイケなかったのです。

その事に
やっと気づいたのが50過ぎという・・・。

遅い!だけど、まだ遅くない!

気付けただけでもすごいよ!私!

とまずは自分を認めることから始めましょ。

これからは、
自分の棚卸をしながら
いろいろ挑戦しよう!

そして、目指せ!自立!
自分の足で歩けるようになれば、
また違った景色が見えるはず。

私は、
自分を諦めきれていない事が
分かったのでした。

(この感情は、ちょっと、嬉しいかも)